こんにちは!しまおです。今回はキルギスの食文化について紹介していきます。
食事スケジュール
キルギスは日本と同じく一日3食が主流になっています。間食も多く、おやつどきにはよく紅茶と軽食を取っています。来客があった場合もお茶と軽食を出すのがマナーとなっているため、一日に何軒か家を訪問することがあると、それだけでお腹いっぱいになってしまうこともあります。出されたパン(キルギス語でナンと呼びます)に手をつけないのは失礼にあたるので、端だけでもちぎって食べるようにしましょう。また、紅茶は空になると延々とおかわりをついでくれるので、飲むペースを調整するか、丁寧に断る必要があります。お茶うけはお菓子のような軽食から、昼食の残りといったガッツリしたものが出てくることもあります。筆者が現地の家に泊めてもらった時は、夕方に着いてすぐにプロフ(ピラフのような米料理)が出されました。てっきりそれが晩御飯だと思っていたら、食べ終わった頃に「晩御飯何がいい?」と聞かれて驚愕しました(絶望もしました)。
主食はパン

キルギスの主食はパン>>麺・米になっています。米であっても麺であっても全ての食事には基本的にナンと呼ばれるパンがつきます。タンドリー窯で焼いた円形のナンが主流です。表面はパリッと、中はもちもちとしていてとても美味しいです。イメージとしてはベーグルを焼いた感じが近いかもしれません。密度が高めで脂肪分が少ないような味がします。食パンや黒パンなど種類は豊富にありますが、タンドリー窯で焼いたナンは、デパートのスーパーの中にも窯が置かれているくらい、他のパンに比べて人気があります。乾燥した気候のせいもあってか、すぐに固くなってしまうので毎日新鮮なナンを買って一両日中に食べるという感じでした。
伝統的な中央アジア料理
キルギスの伝統的な料理は、カザフスタンやウズベキスタンなど周辺の遊牧民国家と共通しています。代表的なものはラグマン、プロフ、クルダックなどがあります。肉は羊が主流で、牛もよく食べます。お祝い事の時には馬も食べますが、馬肉は痛むのが早いため日常的には食べないようです。イスラーム圏なこともあり、豚はあまり食べられていません。海がないため魚は高級品で、淡水でも取れる鱒を除いてはバリエーションも少ないです。
ラグマン



うどんのような麺料理です。麺はスーパーやバザールで買うこともできますが、多くの家庭では小麦粉と水を練って自前で作っているようです。肉(牛か羊が定番)、赤パプリカ、セロリ、玉ねぎがベースの食材となっていて、味付けは塩という素材の味を活かした料理です。スープが真っ赤なのでトマトが入っているのかと思ってしまいますが、トマトは必須食材ではなく、赤パプリカが色の元になっているようです。野菜・肉・炭水化物をバランスよく摂ることができ、店によってスープの味や麺が違うので、筆者は頻繁に食べていました。焼きうどんタイプのボソラグマン、スープなしのギューロラグマンといった派生系があります。
プロフ


米料理の代表がプロフです。肉、玉ねぎ、ニンジンをたっぷりの油で炒め、クミンと塩胡椒で味を整えたら水を加えて米と一緒に炊き上げます。作り手によってニンニクを刻んで入れたり、丸ごと一個そのまま入れたりします。圧力鍋いっぱい分のプロフを作るのに500mLの油を使い切るほどなので、作るのを見ている油の量にドン引きしますが、美味しいのでついつい食べてしまいます(山で調理する場合は標高が高く気圧が低いので圧力鍋を使う方が米がちゃんと炊けて肉も柔らかく火が通ります)。カザフスタンのプロフはキルギスのものよりもさらに油の量が多いそうです。トマトと玉ねぎを薄切りにして混ぜ合わせたサラダをプロフにかけて食べるのが一般的です。
クルダック

キルギスではあまり野菜を食べる習慣はなかったらしく、近年になってから若者を中心にサラダなどを食べるようになったそうです。そんなキルギスでも主役の野菜となってきたのがジャガイモとニンジンです。クルダックは肉、ジャガイモ、ニンジンをつかった肉じゃがのような料理です。味付けがシンプルに塩とクミンだけなので、肉じゃがのような甘辛さはないですが、なんだか懐かしい味がします。
シャシリク

肉食文化のキルギスの代表的な料理が串焼きであるシャシリクです。日常食というよりはお祝い事など特別な日の食事という位置づけです。羊、牛、鳥、鱒(イシククル周辺で養殖されています)を串に刺して焼くだけという豪快な料理です。店によってスパイスの味付けが違うので、人気店とそうでない店の差はそこにあるのかもしれません。筆者が連れて行ってもらった店は一本一本がとんでもサイズだったので、少人数で挑む場合は注意が必要です。
ウイグル系の料理

キルギスは東が中国と接しているため、ウイグル系の文化・料理も入ってきています。有名なのは、アシュランフーと呼ばれる麺料理です。辛味と酸味のあるスープの中に、ところてんと小麦の麺が入った料理です。特に暑い時期に食べるとさっぱりとして美味しいです。どこの国でも中華は人気がありますが、キルギスでもウイグル系の人は料理が上手だという認識があるようです。
お茶


キルギスでは毎日大量に紅茶(キルギス語でチャイ)を飲みます。少なめのお湯で濃い紅茶を作って置いておき、飲むときにお湯で薄めるのがキルギス流。ハチミツや砂糖、粘り気の少ないジャムのようなものを入れることも多いです。また、カフェではさまざまなベリー系のお茶やハーブティー、スーパーフードとして注目されているシーバックソーンティーなどもたのしめます。シーバックソーンティーは日本ではかなりレアですが、キルギスではどのカフェにもほぼ必ずある定番のお茶です。甘酸っぱく、温かいジュースのような感じで体にも良いという素晴らしい一品。
いかがでしたか?料理の詳細や、おすすめの店については別の記事で紹介していきますので、そちらもぜひご覧になってみてください!
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